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 少子化に歯止めがかかる見通しはない。子育てを第一優先に考えるなかで、北海道・札幌市への移住を決めた俳優の千堂あきほさん(55)に、道内での子育て環境や、移住者だから見えることについて聞いた。

子育て支援策

岸田文雄前政権は「異次元の少子化対策」として、児童手当の大幅な拡充のほか、保護者が働いていなくても保育所などを利用できる「こども誰でも通園制度」の創設などを打ち出した。自治体によっても支援策は異なり、北海道は昨年と今年、物価高騰下での子育て世帯支援として、米と牛乳の購入に使える商品券などを配布した。東京都は、高校授業料実質無償化の所得制限撤廃など独自の支援策を次々打ち出しており、自治体間での格差を懸念する声も出ている。

 「次女の出産を間近に控え、札幌に1人で住む義母に助けてもらおうと北海道に来たのが移住のきっかけです。1カ月後に東日本大震災(2011年3月)が起き、札幌でも大きく揺れました。義母を1人残して去るのにも気が引け、食べるものもおいしいし、子育てを手伝ってもらえると甘えて生活しているうちに、北海道暮らしが13年になってしまいました。東京や地元兵庫に住んでいた年月より長くなりました」

冬場のびのび 室内空間を

 「北海道は子育てをするにはすごくいい環境です。子どもを連れて出ると、すぐそこに大自然がある。ただ、北海道は雪で閉ざされる半年は、あまり外で遊べない。子どもたちが、室内でのびのび運動のできる空間をもっと充実させてほしい。いまもあることはありますが、みんなが集まるので、狭く感じるし、順番を待っている間に時間がたってしまって十分遊べなかった経験もあります。民間だと、お金もかかりますしね。学校の体育館を開放するなど、特に冬場に活用できる室内の遊び場を行政などが積極的に整備して発信してもらいたい。そういう遊び場が増えれば、うれしいです」

 「年相応の遊び方が、一つの…

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