勇留島の太平洋岸=2016年、サハリン・インフォより

 ロシアが実効支配を続ける北方領土で一般住民が住んでいない歯舞群島の一つ勇留(ゆり)島の無名の岬に「ユーリー・エフレモフ」という名をつける提案を、サハリン州議会の委員会が先月、全会一致で支持するというできごとがあった。

 サハリン州では近年、北方領土や千島列島にある島の岬や岩礁などに新しい名前をつけるよう、中央政府に働きかける動きが目立つ。

 その代表的な成果として2017年には、歯舞群島の秋勇留(あきゆり)島近くの小島に米艦ミズーリ号での日本の降伏文書調印式に出席した旧ソ連のデレビヤンコ将軍の名を、千島列島の得撫(うるっぷ)島近くの小島にグロムイコ元ソ連外相の名をつけることなどを、中央政府に決定させている。

 そうしたなか、戦後80年を目前に北方領土の新地名候補として「ユーリー・エフレモフ」が登場してきた背景を知ることは重要である。

 エフレモフ(1913~19…

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