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 人工知能(AI)で外傷患者の画像診断を支援するシステムの臨床研究を始めると、大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター(大阪市)が8日、発表した。一刻を争う救急医療で、診断の迅速化や精度の向上が期待できるという。

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肝臓からの活動性出血の症例。ERATSでは、異常が検出されると波形で示されるようになっている=2025年9月8日、大阪市の大阪急性期・総合医療センター、藤谷和広撮影

 このシステムは高度救命救急センターの岡田直己医師らの研究チームが開発した「ERATS」。患者1人につき数百枚から千枚以上にのぼる全身のCT画像から、平均約8秒で異常が発生している箇所を検出する。

 多量の出血を伴う外傷の場合、1時間以内に止血治療を開始しないと亡くなってしまうことが多い。岡田さんによると、全身のCT画像を正確に読み解くには経験豊富な医師でも5分程度かかるため、「時間がない」「見落としてしまう」という焦りや不安を常に抱えている。

 そこで岡田さんらは全国13…

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