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写真・図版
千葉県勝浦市の海岸。海風の影響を受けやすい地形で気温の上昇が抑えられるという=2023年、同市、相場郁朗撮影

 全国的に猛烈な暑さを記録した今年の夏(6~8月)だが、「涼しい街」として知られる千葉県勝浦市は32・7度が最高値だった。同県内でも猛暑日が続発したが、同市と、条件の似た銚子市は、この夏も猛暑日と無縁だった。

 銚子地方気象台によると、勝浦市は海から吹く風が気温の上昇を抑える。西隣で同じく太平洋に面した鴨川市などと比べて、より海風の影響を受けやすい地形だ。銚子市も同様という。

 気象庁の記録では、この夏に県内15の観測地点の大半で35度以上の猛暑日を記録したが、勝浦市の最高気温は6月が29・5度、7月が32・2度。最も気温が高かった8月は、3日に32・7度を記録し、これがこの夏の最高となった。

 船橋市や市原市で38度台だった21日も、勝浦市は30・5度。千葉市や船橋市などで36~38度台を記録した30、31日も、勝浦市は31度台で、鴨川市が36~37度台だった23、24日にも勝浦市は29度台だった。

 同気象台によると、記録が残る明治以降で勝浦市の最高気温は大正13(1924)年8月23日の34・9度。記録的な暑さだった今夏も101年前の記録を超えることはなく、「関東屈指の避暑地」の面目躍如だった。

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