Smiley face
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公開された男児のランドセルと似顔絵=2025年5月28日午後2時42分、千葉県野田市、斎藤茂洋撮影
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 千葉県野田市の市立小学校6年生の男児が2019年に自殺した問題で、鈴木有市長から諮問を受けて再調査をしていた第三者委員会(委員長・浜口佳和筑波大教授、発達臨床心理学)は28日、「いじめと自死に直接的な因果関係が認められる」とする答申をまとめた。

 男児の自殺を巡って、市教育委員会が設置した第三者委員会は21年、男児に対する同級生のいじめはあったとする一方、自殺といじめの関連性は認めなかった。遺族が再調査を求め、前回とは委員の構成が異なる第三者委を改めて設けて調査をしていた。

六つの行為をいじめと判断

 再調査報告書は、男児が同級生から受けた行為のうち、席を離された▽プリントや落とした鉛筆を投げて渡された▽無視された、などの六つの行為をいじめと判断。その上で、同時期に男児が学習ノートに「SOS 助けて欲しい むしされる 自殺したい」などと書き残したことは、同級生のいじめが男児に「自殺したいという思い(自殺念慮)を抱かせたと認めるのが自然」と結論づけた。

 答申後に会見した浜口委員長は「子どもの自殺は、大人には信じられないようなささいなことがきっかけで生じることもある」と指摘。男児が学習ノートに「SOS」などと書いたことを「客観的な資料として重視、証拠の一つとした」と述べた。

 再調査委は、当時の児童らへの聞き取りを計12回実施するとともに、計25回にわたる審議をして事実関係の認定に努めてきた。遺族側とも複数回面会したという。

 答申を受けた鈴木市長は「結果を重く受け止め、市を挙げ再発防止に取り組む」などとするコメントを出した。

遺族代理人「被害者の立場に立って」

 再調査委員会の答申を受け…

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