千葉銀行は28日、千葉興業銀行の株式を買い増し、19・97%を保有する筆頭株主になったと発表した。今後、両行で関係強化を進めるための協議を始めるという。全国で地銀統合の動きが広がる中、千葉県内で長年続いた3地銀体制にも変化が起き始めている。
千葉銀は、子会社のちばぎん証券が千葉興銀株0・04%を保有していたが、28日付で国内ファンドが保有する19・93%を買い増した。取得総額は約237億円。今年1月、ファンド側から売却の打診があり、「地域経済発展及び企業価値向上の観点」から取得を決めたという。
今回の株取得を経営統合に向けた動きとみる一部報道もあったが、両行は「現時点で決定した事実はない」と否定。千葉銀の広報担当者は「どのような協力ができるか話し合うスタートラインについたところ。具体的な内容は決まっていない」と話した。
ただ、県には全国でも珍しく千葉銀、京葉銀行、千葉興銀の3行が残っており、業界再編が進むかが注目されている。「金利ある世界」が戻ってきたことで、銀行は貸出金の原資になる預金獲得競争が激化しており、今後は資本規模の拡大の重要性がさらに高まっていくとみられる。