福岡ソフトバンクホークスの元選手で、現在はきくらげ農家の中原大樹さん。右は現役時代

 福岡ソフトバンクホークスは12球団で唯一、4軍制が導入されており、育成契約の選手は53人(6月6日現在)に上る。周東佑京(2017年育成ドラフト2位)や大関友久(19年育成ドラフト2位)ら支配下契約をつかんで主力として活躍する選手がいる。一方、1軍の舞台に立てず「第二の人生」を選択した人も多くいる。

 その1人が、10年育成ドラフト2位で入団し、現在は福岡県糸島市でキクラゲ農家「結樹農園AGLIS」の常務取締役を務める中原大樹さん(33)だ。

背番号100番台を背負い、激しい競争の中でもまれ続けた育成選手の「その先」に迫ります

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 育成ドラフトで指名されたと知ったのは電車の中だった。

 「監督から学校に残っておけと言われたんですけど、ドラフトにかかるとは思っていなくて」

 2010年10月28日。当時、鹿児島城西高3年の内野手だった中原さんはそう回顧する。大学に進学して4年後のプロ入りをめざす決意を固めつつあった中でのサプライズだった。

 自身の家庭環境も考慮し、「…

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