Smiley face

 世界自然保護基金(WWF)は、この50年で世界の野生の生き物の個体群は平均73%減少したとする報告書を発表した。地球上の生物多様性は急激に劣化しており、WWFは「今後5年間にとる決断と行動は、地球上の生命の未来にとって極めて重要」と訴えている。

写真・図版
違法に焼かれたアマゾンの熱帯雨林=2021年

 報告書は、哺乳類や鳥類、両生類など、5495種の野生生物の個体群の変化をもとに計算した「生きている地球指数」(LPI)が、1970~2020年の間に73%減ったとした。もとにしたデータが違うため単純には比較できないが、前回の22年版では1970~2018年の間に69%の減少としており、生物多様性の劣化には歯止めがかかっていない。

 特に川や湖などの淡水域の生き物は85%の減少と影響が大きく、要因として淡水魚の移動を妨げるダム開発などを指摘した。

写真・図版
「最後の清流」とも言われる四万十川=高知県

 地域別では、中南米・カリブ…

共有