人口の3割が65歳以上の「超高齢社会」で、自治体の敬老(長寿)祝い金を見直す動きが続いている。15日は敬老の日。祝い金の減額や廃止をしても、ご長寿への敬意は示せるのだろうか。
鹿児島市は今年度から、敬老祝い金を減らした。88歳(米寿)は2万円から1万円に、満100歳は5万円から3万円に。市内最高齢者に贈る祝い金も10万円から5万円に減額した。市長寿支援課によると、高齢者福祉費の予算が前年度比で約7億8千万円増えるなど、市の台所事情は厳しいという。
祝い金の対象者は、今年度は88歳が約3400人、100歳は約300人。支給総額は約4300万円で、減額により前年度より3900万円減った。減額分は別の高齢者施策にあてるという。
減額が決まると、同課には「何も買えないじゃないか」といった失望の声が寄せられた。片平公成課長は「地域の民生委員から説明してもらうなど、理解を求める努力をしてきた」と話す。
4日、市内最高齢で「皇寿」の111歳の坂下サトさんは、通所するデイサービス施設で祝い金5万円と祝い状を下鶴隆央市長から贈られた。坂下さんは「ありがとうございます」と手を合わせて感謝。一緒に暮らす長男の妻の鈴子さん(82)は「おいしいものを買ってあげたい」と話した。
88歳を迎えた山田シヅエさ…