卓球台がない南太平洋の小さな島からやってきた女子卓球選手が27日、パリ五輪の初戦に挑んだ。練習場は雨漏りし、用具が不足するなど環境は十分ではないが、4大会ぶり2度目の出場を日本人コーチが支えた。
オーストラリアの東にあるバヌアツは83の島からなり、新潟県ほどの広さに約33万人が暮らす。
初戦の5日前、同国代表のプリシラ・トミー(35)は試合会場を訪れた。空調が利き、風雨を気にせずに集中でき、「練習環境のレベルが違う」と驚いた。いとこで同国の卓球連盟会長のアノリン・ルルさん(45)は「国には卓球台が20台もないから、大会が終わったら持って帰りたい」と冗談っぽく笑った。
■自給自足の生活から五輪目指…