静岡市北部の南アルプスにある山小屋などに静岡県立大と東京大の研究者が共同で地震計を設置したところ、これまでの観測の2倍の地震を観測した。リニア中央新幹線の工事が予定される地域だが、十分な観測ができていないことから、研究者は体制整備の必要性を訴えている。
南アルプスは年間1~4ミリ隆起しており、隆起速度は世界有数といわれる。県立大グローバル地域センター自然災害研究部門の楠城(なんじょう)一嘉特任教授(地球科学)らは、南アルプスにある山小屋や宿泊施設の二軒小屋ロッヂ、椹島ロッヂ、千枚小屋の敷地に地震計を設置。昨年9月から3カ所で観測を始めた。
16日間のデータを解析したところ、計38回、1日平均で約2・3回の地震が起きていたという。気象庁の観測では、同じ期間に南アルプスの同じ地域で19回の地震を観測しており、新たな観測点を加えたことで頻繁な地震活動が確認できた。観測された地震の規模を示すマグニチュードは最大1・9と小さく、震源の深さは4キロから34キロだった。
楠城特任教授はほかに、リニ…