来日中のフィジーのランブカ首相(75)が19日、東京都内で朝日新聞の単独インタビューに応じた。フィジーは南太平洋地域の島嶼(とうしょ)国の盟主的存在。「太平洋・島サミット」の共同行動計画は、海上自衛隊艦船の寄港を通じて日本と島嶼国間の「防衛交流の強化」を打ち出したが、ランブカ氏は「訓練や能力向上支援を期待したい」と踏み込んだ。一方、南太平洋地域が米中のどちらか一方に引き寄せられることには警戒感も示した。
フィジーはパプアニューギニアに次ぐ人口規模で約93万人を擁し、太平洋の18の国・地域が加わる「太平洋諸島フォーラム(PIF)」の事務局も国内に構える。ランブカ氏はPIFで最高齢の首脳で、島嶼国指導者の中で中心的な役割を担っている。
18日の島サミット本会合について、ランブカ氏は「とても友好的な雰囲気だった」と評価した。日本が島サミットで打ち出してきた「キズナ」とのフレーズを持ち出し、「ふさわしい言葉だ」と語った。
日本は2023年、政府安全保障能力強化支援(OSA)の初事例としてフィジー海軍への警戒監視用の警備艇などの供与を決定。ランブカ氏は「私たちの海軍は沿岸警備隊のような組織だ」とした上で、今後の安全保障に関する日本からの協力について「警察や海軍に携わっている人々の訓練や能力強化を行いたい」と述べた。安全保障以外の分野では、技術開発やインフラ、気候変動に対応できる強靱(きょうじん)な建物の整備の支援を日本側に求めた。
南太平洋地域では近年、中国…