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南極大陸の内陸に設置された無人気象観測装置。太陽の周りには光の輪・ハロが輝いていた=2020年10月15日、南極・みずほ基地、中山由美撮影

 南極大陸の内陸東部で、世界平均を上回るペースでの気温上昇が観測された。氷が厚く、地球上で最も寒い東南極で初めてという。名古屋大、国立極地研究所、北見工大の研究グループが7日、研究成果を発表した。最低気温が零下80度ほどにもなり、アクセスも難しい内陸域は観測の空白域だったが、日本がもつ内陸拠点で30年間観測したデータを解析した。英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に掲載された。

 昭和基地から1千キロ離れた大陸内陸のドームふじ基地(南緯77度)や、中継拠点(同74度)、みずほ基地(同70度)には無人の気象観測装置があり、1990年代から気温を観測している。これらのデータを解析した結果、93~2022年の30年間で約1.5~2度上昇し、世界平均(約0.6~0.7度)より速いペースであることがわかった。

 研究グループは、南インド洋…

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