南海トラフ巨大地震発生時に大きな津波被害が予想される14都県のうち5県が用地を確保した仮設住宅約2万7千戸は、大雨の洪水で浸水する恐れのある区域内に含まれることが、朝日新聞社の取材で分かった。5県全体の15%にあたる。能登半島地震の被災地では仮設住宅が豪雨で浸水する「二重被災」が発生。南海トラフ地震でも同様の被害が生じる恐れが浮かび上がった。
法律で都道府県は仮設住宅を建設・供与するよう規定され、市町村と調整し建設候補地リストの作成を求められている。
朝日新聞社は能登の豪雨被災を受け、南海トラフ地震で内閣府に「津波避難対策を特別に強化すべき地域」と指定された139市町村のある14都県に取材した。
この指定は、地震発生30分以内に津波による30センチ以上の浸水被害が生じる地域などが対象で、著しい津波被害が起きる恐れがあるため、特に対策を強化すべきだとされている。
南海トラフ地震を想定して建設候補地を確保した仮設住宅の戸数▽そのうちハザードマップなどで洪水リスクのある区域内の戸数、を尋ねた。
候補地に関して非公表などとしている東京都は除外し、13県の回答を集計。二重被災の恐れがある区域内に仮設の候補地を含めているのは愛知、三重、徳島、愛媛、宮崎の5県だった。
愛知県は、建設を見込む57…