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 南海トラフ地震による津波の新たな浸水区域を朝日新聞が分析すると、約2300の医療機関と約7300の福祉施設が含まれていた。各施設や自治体は結果をどう受け止めて、備えるべきか。災害医療が専門の国際医療福祉大学大学院・石井美恵子教授に聞いた。

  • 南海トラフ津波、2300医療機関に浸水リスク 国の新想定を分析
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国際医療福祉大学大学院の石井美恵子教授=2025年7月23日、東京都港区、力丸祥子撮影

 ――改めて、たくさんの医療機関や福祉施設に被害が出るかもしれないことが分かった。

 それぞれの施設や周辺地域に何が起こり得るのかを見直す機会にしてほしい。病院の入院患者や福祉施設の利用者は、自力での避難が難しい人も多い。津波は、大雨や台風と比べて避難にかけられる時間が短く、事前の備蓄や訓練、計画策定がより重要になる。

 それぞれの施設で、浸水が懸念される低層階は病室になっていないか、水や食料は浸水しない場所に置いてあるか、などの点検が必要だ。近年の状況を踏まえると、発災後に極端な暑さや寒さに見舞われることも想定され、空調を稼働させられるかが命に直結するおそれもある。非常用電源の浸水防止対策も重要になるだろう。

 ――どんな点に注意して準備…

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