Smiley face
写真・図版
「逃げトレ」の画面。自分が今いる地点に津波が来るまでの残り時間と予想される高さが一目で分かる=2024年8月8日午前10時17分、宮崎市・青島海岸、星乃勇介撮影

 8月8日に発生した日向灘の地震は、宮崎県内で最大震度6弱が観測され、南海トラフ巨大地震の臨時情報が初めて出されるなど、各地に大きな影響を及ぼした。いずれ来る災厄にどう備えるか。子どもたちを「地域防災の要」に育てる取り組みが始まっている。(星乃勇介)

 県を代表する観光地の一つ、宮崎市の青島で8月8日、南海トラフの地震を想定し、中2から高2までの生徒計11人が津波避難のフィールドワークをした。地理が分からない観光地に行って、災害に出くわしたら――。誘導標識は適切か、道に危険はないか。研究者のアドバイスを受けながら、一つ一つ確かめて歩いた。

 参加したのは、県立五ケ瀬中等教育学校と日南高の生徒。学識者らが共同で開発した津波避難訓練アプリ「逃げトレ」を使った。自分が今いる場所で地震が起きた場合、何分後に何メートルの津波が来るかを示すものだ。

 生徒たちは波打ち際へ。「海水浴中に地震に遭った」というシナリオでアプリを起動させ、逃げ始めた。靴を履くにも時間がかかる。歩き始めても避難場所への標識が見当たらない。

 あっちへ行き、こっちへ行き…

共有