いわき信用組合の本店=2025年5月7日、福島県いわき市、沢伸也撮影

 金融機関として前代未聞の不正は、なぜ20年以上も見過ごされてきたのか。29日にいわき信用組合(福島県)に出された業務改善命令からは、経営陣の規範意識の欠如が現場まで蔓延(まんえん)し、ブレーキが働かなかった実態が浮かび上がった。

 「ガバナンス的に極めて極めて重大な問題がある」

 東北財務局がいわき信組へ業務改善命令を出した後の29日午後。財務局を監督する金融庁の担当者は、同命令に至る経緯を報道陣に説明した。

 命令では、江尻次郎・元会長をはじめとする旧経営陣をトップに、20年以上にわたり不正が秘密裏に続いてきた経緯が明らかにされた。

「理事会」機能しなかった監督機能

 信組には複数の理事による「…

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