鈴鹿サーキットで35回目の開催を迎えた自動車レースのF1日本グランプリ(GP)。今年は4~6日の3日間で、延べ約26万6千人が駆けつけた。来場者数は昨年を大きく上回り、年々盛り上がるF1だが、一時は鈴鹿開催が危ぶまれたことも。そんなとき、草の根で支えたのは地元の住民たちだった。
レース開幕直前の今月3日、パドックと呼ばれる関係者エリアで、地元三重県鈴鹿市の小学生とドライバーの交流イベントがあった。
2.5倍の倍率で選ばれた約30人が、「ウィリアムズ」「キック・ザウバー」「レッドブル」の3チームに分かれ、ドライバーに子どもの頃の夢を質問したり、サインをもらったりした。
「好きな選手を近くで見られて、めちゃくちゃうれしかった」。小学5年の田端礼佳(あやか)さん(10)は興奮気味だ。将来、F1のエンジニアになりたいという。
イベントを主催した団体の一つがNPO法人「鈴鹿モータースポーツ友の会」。市民にモータースポーツへの理解を深めてもらうため、約20年活動してきた。
鈴鹿からF1がなくなる その時地元は
会発足の背景には、「鈴鹿からF1がなくなる」という強い危機感があった。
02年からF1に参戦したト…