【動画】串本古座、4年ぶりに単独チームで和歌山大会に=白木琢歩撮影
10日開幕の第107回全国高校野球選手権和歌山大会に、本州最南端にある串本古座高校(和歌山県串本町)が4年ぶりの単独チームとして出場する。地元中学の野球部が次々と廃部になる中、串本古座も部員が激減し存続が危ぶまれていた。危機を救ったのは、4月に入部した1年生たちだ。
太平洋に突き出した紀伊半島の先端。人口約1万3千人の串本町で唯一の高校が串本古座だ。
放課後のグラウンドでは野球部員がマシン打撃や守備練習に励んでいた。部員数は12人で、このうち4月に入部した1年生が8人。「部活動が元気だと学校に活気が戻ってきた感じがします」と清野祐介教頭は話す。グラウンドの外では、練習をじっと見守る住民の姿も増えた。
部員不足が続いた串本古座は、昨年まで3年連続で夏の選手権大会に連合チームで出場した。3年生が引退した昨秋からは部員が2人に。井口将克部長は「通常の練習が難しい状態だった」と振り返る。
ところが4月、1年生8人がまとまって入部し、単独チームを構成できるようになった。同時に部を離れていた2、3年生も復帰してきた。入部以来、初めて単独チームで戦う柳下祐人主将(3年)は「少し戸惑いもあるが、試合が楽しみ」と話す。
なぜ、串本古座の1年生が増えたのか。背景には、地域の少子化に伴う野球をする機会の喪失、さらにその流れにあらがって野球離れを食い止めようとする関係者の努力がある。
串本町教育委員会によると…