富山大学非常勤講師の斉藤正美さん

 妊娠・出産前から自分の健康や将来を考えるように促す「プレコンセプションケア(プレコン)」の事業が「少子化対策」として計画され、批判を浴びる事態が起きている。この動きをどう見るのか。富山大学非常勤講師の斉藤正美さん(社会学)に聞いた。

 ――熊本県が希望する女性職員を対象に卵子量の目安を測る検査のモデル事業を打ち出し、「産めよ殖(ふ)やせよ、の発想にならないか」などの批判を受け、撤回しました。自治体のプレコン事業が「迷走」しているように感じます。

 国が「少子化対策」にプレコンを位置づけて旗を振っています。それを踏まえれば、いまの自治体の動きも言わずもがな、という印象です。

 2019年12月に施行された「成育基本法」の存在が大きいです。子どもや保護者、妊産婦に切れ目なく必要な医療を提供することをうたった法律ですが、大きな目的は少子化対策だと理解しています。

 この法に基づく「基本的な方針」に、「プレコンセプションケア」の文字も出てきます。スタートから少子化対策で、それを受けた自治体の動きです。

 ――その頃から始まった一連の流れ、という理解でしょうか。

 いえ、もっと前からだと考えています。

 12年に第二次安倍内閣が誕…

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