保管倉庫から搬出される備蓄米=2025年3月18日午前9時34分、埼玉県内、杜宇萱撮影

 コメの卸売業者間の取引で、価格が下落したことが5日わかった。政府が随意契約で備蓄米を放出したことが影響した模様だ。今後、スーパーなどの小売店の販売価格に波及する可能性もある。

 複数の関係者によると、「スポット取引」と呼ばれるコメの卸売業者間の短期的な売買で、相場が下落している。直近の取引価格は、前の週に比べると1割前後下がったという。

 業界関係者は「随意契約による影響が大きい。需要が弱まるとみて、在庫を処分しようと思った業者がいた、ということだろう」とみる。

 政府は備蓄米の追加放出に向けて、5月26日から任意の大手小売業者との「随意契約」を始めた。この備蓄米が31日から一部の店舗で、5キロ2千円程度で売られ始めている。全国のスーパーでのコメの平均価格の半値ほどの水準だ。

 スポット価格の低下は、小売店以外にも影響が及ぶ可能性もある。弁当・総菜店の関係者は「コメの卸売業者から提案された価格は、1割ほど下がっている」と明かす。とはいえ、前年と比べると価格水準はかなり高く、「正常化はしていない」という。

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