子どもがご飯を食べてくれない、好き嫌いが激しくて栄養バランスが心配――。そんな子どもの偏食や小食について薬局で相談し、専門家がサポートする新たな支援ネットワークができている。子どもの食に悩んだ経験のある母親たちがつながり、実現させた。
福岡県内を中心に約120店を展開する大賀薬局(福岡市)と、子どもの食の課題に取り組む企業やNPOがこの春、「こども偏食医療ネットワーク」を設立した。
まずは、福岡市東区にある大賀薬局の舞松原店に無料の相談コーナーができた。ドラッグストアと調剤薬局が併設された広い店内の一角。管理栄養士が対応などを助言し、必要があれば、病院での血液検査や診察が受けられるようサポートする。7月末までに4組の親子がカウンセリングに訪れた。福岡の事例に続く形で、東京都や岩手県でも、同様の仕組み作りに向けた動きがあるという。
ある日気づいた「親の必死さが娘のプレッシャーに」
こども偏食医療ネットワークの設立者の一人、大阪府に住むロート製薬社員の田島由佳さん(46)はかつて子どもの偏食に悩んだ。長女(17)は幼い頃、哺乳瓶を嫌がり、離乳食をあげるとはき出した。2歳になるまでほぼ母乳で育てた。
育児本を頼りに離乳食の味つけを工夫し、哺乳瓶も10種類ほど試したが、どれもダメ。自治体が開く離乳食講習会や小児科で相談しても、原因は分からなかった。
娘と同い年の子どもが食べて…