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ドラッグストアと調剤薬局を併設する店舗の一角に設けられた栄養相談コーナー。副店長で管理栄養士の松崎結さんが会社に掛け合い、実現した=2025年8月8日午前9時50分、福岡市東区舞松原2丁目、福井万穂撮影
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 子どもがご飯を食べてくれない、好き嫌いが激しくて栄養バランスが心配――。そんな子どもの偏食や小食について薬局で相談し、専門家がサポートする新たな支援ネットワークができている。子どもの食に悩んだ経験のある母親たちがつながり、実現させた。

 福岡県内を中心に約120店を展開する大賀薬局(福岡市)と、子どもの食の課題に取り組む企業やNPOがこの春、「こども偏食医療ネットワーク」を設立した。

 まずは、福岡市東区にある大賀薬局の舞松原店に無料の相談コーナーができた。ドラッグストアと調剤薬局が併設された広い店内の一角。管理栄養士が対応などを助言し、必要があれば、病院での血液検査や診察が受けられるようサポートする。7月末までに4組の親子がカウンセリングに訪れた。福岡の事例に続く形で、東京都や岩手県でも、同様の仕組み作りに向けた動きがあるという。

ある日気づいた「親の必死さが娘のプレッシャーに」

 こども偏食医療ネットワークの設立者の一人、大阪府に住むロート製薬社員の田島由佳さん(46)はかつて子どもの偏食に悩んだ。長女(17)は幼い頃、哺乳瓶を嫌がり、離乳食をあげるとはき出した。2歳になるまでほぼ母乳で育てた。

 育児本を頼りに離乳食の味つけを工夫し、哺乳瓶も10種類ほど試したが、どれもダメ。自治体が開く離乳食講習会や小児科で相談しても、原因は分からなかった。

 娘と同い年の子どもが食べて…

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