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HTTRの格納容器内で設備の概要を説明する日本原子力研究開発機構の篠崎正幸・高温ガス炉研究開発センター長=2024年4月30日午前11時12分、茨城県大洗町、福地慶太郎撮影

 日本原子力研究開発機構は27日、高温ガス炉の試験研究炉「HTTR」(茨城県)に水素製造施設を接続させるための審査を原子力規制委員会に申請した。2028年度後半の製造開始をめざす。

 水素は貯蔵や輸送が可能で、電気や熱を取り出すときに二酸化炭素(CO2)が出ないため、カーボンニュートラルの実現に重要とされる。高温ガス炉は通常の原発(軽水炉)よりも高温の熱を取り出せるため、大量の水素を安定的に製造できると期待されている。

 原子力機構の計画では、HTTRの近くに水素製造施設を設置。地下の配管を通じて高温の熱を施設へ送るという。ただ、今回の施設では、水素をつくるときにCO2が発生する。原子力機構は、CO2が出ない製造方法についても研究している。

 政府は30年代後半にHTTRより規模が大きい高温ガス炉の実証炉の運転開始をめざしている。原子力機構は、まずHTTRと水素製造施設の接続技術を確立し、実証炉の開発に生かしたいという。

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