3日に亡くなった原広司さんは、最もスケールの大きさを感じさせた建築家の一人だった。
まず残した巨大建築。例えば梅田スカイビルはJR大阪駅に近づくと、ガラス張りの超高層ビルが2棟、最上階で連結されている姿が目に入る。その威容と、2棟をつなぐ円環状の「空中庭園」で多くの人を魅了する。
中近東などで伝わる空中庭園幻想から導いた発想が抜群。近代主義建築が批判された時代、現代思想や歴史様式を引用する建築家が多かったが、原さんは成育の地、長野県伊那地方の雄大な風景や、アフリカや中南米での集落調査の知見も生かし、「様相」などの考え方で建築をつくった。
調査の折、集落の良さを挙げ…