イランへの攻撃を巡る緊張緩和への期待などを受け、原油価格の指標となる米国産WTI原油の先物価格は23日、前週末の終値より一時14%超下落し、1バレル=64ドル台をつけた。トランプ米大統領がイスラエルとイランの間で「完全かつ全面的な停戦が完全に合意された」とSNSに投稿したことから、安心感が広がった。
原油価格は、イスラエルや米国によるイランへの攻撃を受けて、22日には一時1バレル=78ドル台まで上昇。イランが報復措置として、世界の原油の約2割が通過する「ホルムズ海峡」を封鎖すれば、価格が急騰する可能性も指摘されていた。
ただ、イランが23日に報復攻撃をした対象が、中東カタールの米軍基地だったことから、原油の供給不安が薄らいだ。
トランプ氏もイランによる攻撃後、SNSに投稿。イランから事前に通知を受け、負傷者がいなかったことなどに触れ、「恐らく、イランは地域の平和と調和に進むことができる」と述べた。さらにその後、停戦合意について投稿したことを受け、原油価格の値下がりはさらに加速した。