原爆が飛び立った島は私の郷里　戦争が変えた「楽園」で父は自決した

　テニアンは、太平洋の西側に位置する北マリアナ諸島の一つ。約100平方キロメートルと伊豆大島ほどの島に、およそ2千人（2020年時点）が暮らす。

　日本との関わりは100年以上さかのぼる。第1次世界大戦後の1920年、日本の委任統治領になった。チャモロ人ら先住民に日本語教育を行うなど皇民化がはかられた。

　南洋の島々で開発を手がける日本の会社「南洋興発」が、製糖工場や鉄道を建設。製糖業が軌道に乗った30年代、日本からの移民が増えた。多いときで1万5千人ほどの日本人が住んでいたという。

　「楽園ですね、今思い出しても」

　テニアンで生まれ、今は大阪…