原爆投下直後の広島を描いた映画「ひろしま」(1953年、関川秀雄監督)の上映会が7日、秋田市で開かれる。連合国軍総司令部(GHQ)の報道統制の影響でほとんど劇場公開されず、「幻の映画」とされてきた。県映画センターの吉田幸雄事務局長(73)に上映のねらいなどを聞いた。
――なぜ今「ひろしま」なのですか
ロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの軍事攻撃など、戦後80年になってもあちこちに「戦争の種」がばらまかれ、いつでも芽を吹く状況になっている。
映画の最後、原爆ドームに向かって広島じゅうの人が集まって、死者も立ち上がって行進につながっていくシーンがある。戦争は絶対にだめ、原爆は絶対に作ってはいけないという強い意志とメッセージで、戦後80年の節目に改めて伝えなければ、との思いだ。
――「幻の映画」といわれてきました
GHQの占領政策の中で、広…