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「ポルノグラフィティ」の岡野昭仁さん=広島市中区、上田潤撮影
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 人気バンド「ポルノグラフィティ」が、被爆80年を迎える今年、平和への祈りを込めた楽曲を出した。タイトルは「言伝―ことづて―」。広島県出身の2人が、故郷に原爆が投下された事実に向き合い、8月6日の惨状を次世代に語り継ぐ。

 曲作りのきっかけは、1年半ほど前。NHK広島放送局から被爆80年プロジェクトのテーマ曲を作ってほしいと依頼を受けたことだった。

 ボーカルの岡野昭仁さんとギターの新藤晴一さんは、使命感に駆られた。

 「平和や反戦の歌を、多くのミュージシャンが歌ってきた中で、自分たちはどういうアプローチができるのか。重いテーマだけに正直、身構えました」(岡野さん)

 2人は広島・因島出身。同級生の2人は高校の文化祭でバンドを組み、1999年に「アポロ」でメジャーデビューした。「サウダージ」「アゲハ蝶(ちょう)」などポップで疾走感のある楽曲が次々とヒット。昨年、デビュー25周年を迎え、2人は50歳になった。

 新藤さんは言う。「元々、親世代が眉をひそめるようなロックに憧れたので、平和を背負うような器ではないと思ってきた。それでも、広島出身で長い間、音楽をしてきた使命かもしれない。そんなふうに思うようになってきました」

 2人は昨年7月から楽曲制作のため、被爆体験を伝える人たちに会い、話を聞いた。

 そして、できた曲が「言伝―…

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