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タイ国立シーナカリンウィロート大の学生と記念撮影をする兵庫県被爆二世の会の壺井宏泰さん(前列左端)と証言のタイ語訳を提案した河口枝里子さん(後列左端)=2024年4月30日、同大提供
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 広島、長崎での被爆体験を伝える証言集が、タイ語に訳された。被爆二世が親について伝える証言を、タイ人学生らが翻訳。戦後に生まれた人びとの縁が、プロジェクトへと発展した。

 「当時18歳の母は、勤め先の広島駅北西部、陸軍第二総軍司令部にて被爆しました。腕を少し負傷し、壊れた兵舎の窓から脱出しました」

 「原爆投下の当時の事を、父は55年以上経つまで、話す事が出来ず、でもしっかりと鮮明に覚えていた」

 5月末、こうした証言をタイ語で収めた「私の中のヒロシマ・ナガサキ」(180ページ)が完成した。兵庫県被爆二世の会が2013~23年に会報で伝えた証言のうち、被爆2世を中心に計33人分が訳された。

 始まりは、バンコクに住む河口枝里子さん(33)の思いつきだった。

 祖母2人が広島の被爆者。高…

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