79年前の8月6日朝、岡山から陸軍経理学校の受験生たちを乗せた列車が広島駅に着いた。
その一人、三好英男さん(95)=岡山市南区=は旧制岡山一中(現・岡山県立岡山朝日高校)を卒業したばかりの16歳。職業軍人を志し、広島での2次試験に臨んだ。
広島駅から歩いて集合場所の牛田国民学校(現・広島市立牛田小学校)に到着すると、校庭で待機するよう命じられた。
建物の日陰で休んでいると、青空に飛行機が見えた。「B29じゃ。警報も出ていないのに……」
シリーズ 線路は続くか
赤字ローカル線の問題を、現場取材やインタビューを重ねて深めていきます。
次の瞬間、ものすごい光と音。とっさに目と耳をふさいで伏せた。原爆が落とされた。
「芸備線は出ている」目指した故郷
気がつくと、校舎が壊れるなど大きな被害が出ていたが、三好さんにけがはなかった。ほかの受験生も動けるようだった。
引率役の軍人が「試験は中止…