東京電力福島第一発電所が立地する福島県大熊町で、被災前の中心地だったJR大野駅西側の一帯に商業施設などが完成し、15日にオープン記念式典があった。町の新たな中心として人の呼び込みに期待がかけられている。
一帯は「大野駅西交流エリア」と名付けられ、貸事務所やホールがある産業交流施設「CREVAおおくま」と飲食店やコンビニなどが入る商業施設「クマSUNテラス」ができた。
記念式典では、吉田淳町長が「町の玄関口であるこの場所に、にぎわいを取り戻したいとの思いで計画を進めてきた」とあいさつ。内堀雅雄知事や伊藤忠彦復興相ら政府幹部も祝辞を述べた。
CREVAの1階には、環境省の「中間貯蔵事業情報センター」が町内からリニューアルして移転。駅前という立地を生かして、県内の除染で出た土や取り除いた枝葉などの除染土の最終処分や、同町と双葉町にまたがる中間貯蔵施設について広報活動を始めた。
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同原発の廃炉に関わっている日本原子力研究開発機構の福島廃炉安全工学研究所も、同じ建物に情報発信施設を開いた。ゲームを楽しみながら、廃炉と関連する分析技術を学べる趣向だ。
一方、低層の建物が集まったクマSUNテラスには五つの飲食店と文具店、コンビニが入った。
記事の後半では、新しい施設ができたことについて住民に受け止めを聞きました。「復興の後押しになる」と歓迎の声が上がる一方、避難指示解除の経緯から大熊町には「二つの町」ができることになり、複雑な思いで受け止める住民もいます。
福島市の女性(52)は、い…