インタビュー連載「電ゲン論」
「脱炭素社会」の実現が叫ばれるいま、あらためて「電気」をどうつくるべきなのかが問われています。原発の賛否をはじめ、議論は百出しています。各界の著名人にインタビューし、さまざまな立場から語ってもらいました。
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に注目が集まっています。同原発は東日本大震災以降に全7基が停止し、まずは7号機の再稼働をめざしています。新潟県の花角英世知事が再稼働に同意するかどうかが焦点ですが、再稼働に慎重な姿勢を崩していません。知事は地元同意を判断する時期について「遅くとも(2026年の)知事選までに判断できる」と発言しています。その後に「県民に信を問う」としていますが、どのような手続きになるのかは明らかにしていません。
新潟県の前知事・米山隆一衆院議員は、知事選になった場合に立候補が取りざたされています。そんな米山氏に、柏崎刈羽原発の是非を問うには、どんな方法が望ましいか聞きました。
――再稼働をめぐる新潟県の議論は、深まっているようにみえますか。
「行政側も反対運動側も相互不信が強いです。行政側は再稼働しなければならないと考えているようにみえますが、説得しようという意思が欠けています。(反対派が求めている)原発事故が起きて避難する際に、どの程度被曝(ひばく)するかというシミュレーションも、実施すればよいのにしていない。一定の被曝を前提とするならば避難は不可能ではありませんが、反対側は現在の避難計画では全く避難ができないと批判しています。互いに材料を出して理解しようとしなければ、政策的な議論になりません」
――「信を問う」方法は知事選や住民投票、県議会での同意など想定されます。どの方法が適切だと考えますか。
「知事選はワンイシュー(単…