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高宮秀典さん

 参院選、真っ最中です。そもそも参院と衆院、二つある意味とは何なのでしょう。

 聞き取り調査など参院の実態について研究してきた気鋭の政治学者・高宮秀典さんは、参院は日本では「ポピュリズムの防波堤」として機能してきたと語ります。どういうことなのか、話を聞きました。

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 参院は衆院の「カーボンコピー」や「追認機関」ではなく、歴史に根ざした独自の性格があり、重要な役割を担っています。

 現在、政治分野で最大の注目点は世界的なポピュリズムの台頭です。この「エリートや既得権益から一般大衆に政治を取り戻そう」という運動は、米国でトランプ氏を再選させただけでなく、世界中で力を振るっています。またイスラエルのネタニヤフ政権や米国のトランプ政権による武力行使を見れば分かるように、ポピュリストが好戦的になっているという傾向も出てきています。

 一方、日本の参院は、ポピュリズムに対する防波堤として機能してきたというのが私の分析です。

 意外に感じる方も多いかもしれません。参院の比例区や旧全国区は、新興の小政党が国政に進出する舞台になってきました。今回も、参政党が伸長するという報道があります。

 しかし、参院選で新規参入を…

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