2025年4月24日、パリで開かれたイベントに出席するポール・ワトソン氏=ロイター

 日本の調査捕鯨船の航行を妨害した事件をめぐり、国際手配されていた反捕鯨団体「シー・シェパード(SS)」の創設者、ポール・ワトソン氏について、国際刑事警察機構(ICPO)は22日、国際手配を解除したと明らかにした。

 ワトソン氏は2010年に日本の調査捕鯨船への妨害行為の際に乗組員を負傷させた疑いなどで国際手配され、昨年7月、デンマーク自治領グリーンランドで警察当局に拘束された。しかし、デンマーク側は日本の引き渡し要請を認めず、ワトソン氏は昨年12月に釈放された。

 ICPOは声明で、国際手配の解除について「事件の正当性に関する判断ではない」としつつ、「デンマークがワトソン氏の引き渡しを拒否したことなどを踏まえて判断した」と説明した。AFP通信はワトソン氏の弁護人の話として、「複数の国が日本の引き渡し要請に応じていないことで、国際手配の基準を満たしていないと判断された」との見方を示した。

 ワトソン氏は家族の暮らすフランスを拠点に活動する。22日、支援団体を通じ「日本の捕鯨船は14年間私を追いかけてきた。私はついに(日本の)復讐(ふくしゅう)と容赦ない迫害から解放された」とする声明を出した。

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