立命館宇治―京都国際 力投する京都国際の西村一毅

(25日、第107回全国高校野球選手権京都大会準決勝 京都国際5―1立命館宇治)

 京都国際の西村一毅(3年)が、昨秋の府大会を制した立命館宇治に圧巻の投球を見せた。

 「無駄な四球がなくて、テンポの良い投球ができた」

 昨夏の甲子園で全国の強打者たちを苦しめたチェンジアップが、この日もさえわたった。カウントを稼ぐ球としても、決め球としても駆使。一方で、直球は自己最速146キロを計測した。チェンジアップと約50キロの緩急差を生かし、143球を投げて9回1失点、13奪三振で完投した。

 4回戦は春の府大会で優勝した京都共栄を破った。今大会初先発だった西村はタイブレークに突入した延長十回まで投げきり、毎回の13三振を奪った。

 準々決勝の北嵯峨戦でも6回7奪三振。毎回スコアブックに三振を表す「K」を刻み続け、この日の六回に途切れるまで21イニング連続奪三振を記録した。

 おもしろいように相手のバットに空を切らせるが、本人に楽しむような意識はないらしい。

 西村は「投げることにずっと集中している。うれしさというより、しっかり投げきれたかどうかをマウンドでは反省している」と謙虚に語る。

 1年前に全国制覇して以降、チームの成績は振るわず、個人としても調子が上がらない期間が続いた。

 試行錯誤の末に思い出したのは、西村がベストと考える昨夏の甲子園の青森山田戦の投球だった。五回から救援して無失点で締めた。「(当時の)感覚に近づいてきた」と語る。

 京都大会までにしっかり仕上げ、昨秋と今春の京都王者を下して、ついに決勝までたどりついた。

 夏の頂点は誰にもわたさない。=わかさ京都

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