刑事手続きのあり方を法曹三者などで議論してきた法務省の協議会が24日、報告書をとりまとめた。大阪地検の証拠改ざんによる冤罪(えんざい)事件を受け、2019年から一部事件で義務化された取り調べの録音・録画(可視化)について、対象拡大を含む制度や運用の見直しを新たな検討の場で議論するよう求めた。
年内にも検討会設置
報告書は、制度導入から6年を経ても不当な取り調べがみられる現状に触れ、供述への過度な依存からの脱却という制度改正の趣旨は「十分達成されている状況にあるとは言えない」と指摘した。法務省は年内にも検討会を立ち上げる方針だが、可視化の対象を広げる法改正には消極的で、議論の行方は不透明だ。
協議会は、可視化を導入した改正刑事訴訟法の施行後3年で制度のあり方を検討するという付則の規定を踏まえ、22年に法務省が設けた「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会」。警察、法務検察、裁判所、弁護士、学者、メディア関係者ら10人で構成する。
「検察なめんな」、近年でも不適正事例
取り調べをめぐっては、大阪…