内閣府生命倫理専門調査会長の五十嵐隆・国立成育医療研究センター理事長(左から2人目)ら=2024年11月7日、東京都千代田区

 受精から間もないヒトの胚(はい)をiPS細胞などを使って再現する「胚モデル」の研究について、内閣府の生命倫理専門調査会は7日、一定の規制をするために関連指針の改正を求める報告書をまとめた。ヒトの胚モデルを使う研究は国への届け出制とし、子宮への移植など倫理的に許容されない研究は禁止とすることを求めた。

 ヒトの受精卵や、受精卵から胎児になる途中の胚は、日本では「生命の萌芽(ほうが)」とされ、研究目的で新たにつくることは指針で厳しく制限されている。

 一方、胚モデルは卵子や精子を使わず、iPS細胞などを培養してつくる。まだ発展途上の技術だが、未解明のことの多い着床前後や胚の初期発生の仕組みといった「ヒトの命の始まり方」を調べる研究ツールとして期待されている。また、生殖補助医療や病気の治療法につながる可能性がある。

 ただ、研究が進めば、本物により近い胚モデルがつくれるようになる可能性があり、取り扱い方や規制が課題になっていた。

 今回の報告書ではまず、現時…

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