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大岡信の書。「ひとはみずから遥かなものを載せて動く波である」=県立神奈川近代文学館蔵、長谷川櫂さん寄贈
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 現代詩や評論に卓越した業績を残した大岡信(まこと)(1931~2017)の足跡を多彩な展示で紹介する特別展「大岡信展 言葉を生きる、言葉を生かす」が横浜市中区の神奈川近代文学館(荻野アンナ館長)で開催中だ。創作の土台となったおおらかな感性や、日本語の不思議を凝視し言葉と戯れた大岡ワールドの魅力を、創作ノートや手紙、書、原稿、写真など約400点の資料で伝える。評論家・三浦雅士さんが展示の編集委員を務めた。

 静岡県三島市の「大岡信ことば館」(2017年閉館)の展示品や家族提供の資料など約1600点が同館に「大岡信文庫」として寄贈され、そのお披露目も兼ねている。

 初公開を含む資料には、妻かね子(劇作家・深瀬サキ)さんに宛てた文章や盟友・谷川俊太郎さんからの手紙8点、そして大学卒業後に読売新聞記者になり、報道と文学のはざまでの葛藤を恩師・寺田透に伝えた手紙も。古今東西の詩歌を紹介した朝日新聞での連載「折々のうた」(1979~2007年)の生原稿からは推敲(すいこう)の変遷が、各界の才人と取り組んだ連詩の筆書きや写真からは、言葉と真剣に遊んだ大岡らの底知れないエネルギーが伝わる。

 展示を見た若手詩人のマーサ・ナカムラさんはこう語る。「お花見のように、詩のおもしろさ、言葉のおもしろさを楽しむ時間になるはず。見た人は元気になると思います」

 5月18日まで。月曜休館(5月5日は開館)。一般700円、65歳以上・20歳未満・学生は350円、高校生100円、中学生以下は無料。

 4月5日に三浦雅士の講演会「日本詩歌の豊穣(ほうじょう)」、26日に大岡の長男で作家の大岡玲による特別講演会「父を語る」、5月10日にトーク「1人1人の『海』を挨拶(あいさつ)に」(岡本啓、マーサ・ナカムラ、水沢なお出演)がある。いずれも事前申し込み(電話045・622・6666)が必要。

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