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愛媛大が所蔵する隕石=愛媛大提供
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 人類が最初に手にした鉄は、宇宙からの隕石(いんせき)。それをどうやって鉄器に加工したのか――。そんな疑問を明らかにするため、愛媛大学と日本刀の刀匠がタッグを組んだ。再現を試みるプロジェクトを立ち上げ、研究費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 「人類・鉄創世記」と銘打たれたプロジェクトの発起人は、愛媛大アジア古代産業考古学研究センター長の村上恭通(やすゆき)教授。アジア各地で古代の製鉄遺跡を調査し、製鉄技術がどのように世界各地に広まっていったかを調べた研究者だ。

 鉄鉱石や砂鉄としてしか存在しない鉄が、鉄器として使えるようになったのは、三、四千年前に西アジアで人類初の製鉄技術が誕生してから、とみられている。しかし、村上教授は「それ以前にも人類は鉄器を使っていた」と語る。原料となったのは、宇宙から飛来した隕石。鉄を多く含む「隕鉄(いんてつ)」と呼ばれる星のかけらだ。

銅のハンマーで鍛錬、未体験の挑戦に

 隕鉄を加工した剣は、約33…

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