京丹後市立高龍小学校(同市久美浜町)は2022年度から京都府立大学文学部考古学研究室との連携事業に取り組んでいる。24日には5年生30人が、府立大が調査している須田平野古墳で発掘を体験し、校区内の歴史遺産に触れた。
須田平野古墳は6世紀後半にできたと考えられている。昨年度までの調査で直径17メートルの円墳と分かり、周囲に巡らせたとみられる溝の一部も確認された。
この日、5年生は、溝の続きを確認するために設けられた調査区内の地面を掘り下げた。指導役の院生から「土の色や硬さの違いを見ながら発掘している」「土器が出たらすぐには取り上げず、出た状態を記録します」と説明を受けた。
あわせて、5年生は石室内部から出た土をふるいにかけ、微細な遺物が含まれていないか探した。体験した脇進之介さんは「大事な物は発見できなかったけど、面白かった。初めて体験できて、いい機会になった」と話した。
この連携事業は府立大の学生にも学びの場になっている。菱田哲郎教授は「自分が調べたことを他人に伝えるアウトプットの能力は文化財の仕事に就いた時に重要。こういう体験を通して説明する力を養える」と話した。(滝川直広)