柿渋で染めた和紙で内装した泊まり部屋に腰掛ける向井理実さん=奈良県天理市福住町

 無秩序な開発や建設を防止しようと県が設けた市街化調整区域に入っているため、過疎地の活性化に必要な施設まで建てられない……。奈良県にそう訴える天理市と桜井市が、土地利用制度を見直す勉強会を県と始めた。

 大阪市でグラフィックデザイナーをしていた向井理実さん(40)は2022年、祖父母が住んでいた天理市福住町の古民家を活用した仕事を始めようと思い立った。

 築120年以上とみられ、かんぬきで閉める門をくぐると凝った庭園が広がる。盆と正月に訪れるのが楽しみだった。山間地といっても、奈良市中心部から車で30分もかからない。コロナ禍を経て、人が癒やされる場所をつくりたくなった。

飲食店を開業しようとしたが

 古民家でかき氷を売ろうと…

共有
Exit mobile version