浄土宗の総本山・知恩院(京都市東山区)で15日、終戦80年の追悼法要が営まれた。日本三大梵鐘(ぼんしょう)の一つで、大みそかや宗祖・法然をしのぶ特別な法要だけで鳴らす大鐘をつき、平和を誓った。

 「えーい、ひとーつ」「そーれ」のかけ声にあわせ、僧侶たちが鐘を8回ついた。

平和への願いを込め、大鐘がつかれた=2025年7月15日、京都市東山区、清水謙司撮影

 その後、国宝の御影(みえい)堂で法要が始まった。「第二次世界大戦終戦八十年追悼・平和誓願法要」と題し、例年の盂蘭盆会(うらぼんえ)の法要に合わせて営まれた。

 知恩院門跡の伊藤唯真(ゆいしん)・浄土門主が導師を務め、僧侶約20人が念仏を唱えた。川中光教・宗務総長は追悼の辞で「近代浄土宗を顧みますと、様々な形で戦争協力をしてきた歴史的事実があります」と述べた。

御影堂で営まれた終戦80年の法要=2025年7月15日、京都市東山区、清水謙司撮影

 宗によると、戦時中、金属供出にともない、仏具や梵鐘などを国に差し出した。宗平和協会は2年前、宗の戦争協力をまとめた報告書を出した。

 川中宗務総長は「戦後80年の節目に、争いのない平和な社会を築くため、あらゆる努力を惜しまない」と誓った。

平和への願いを込め、大鐘がつかれた=2025年7月15日、京都市東山区、清水謙司撮影

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