JR只見線の会津川口―只見間について、同区間の維持管理費を負担する福島県と沿線17市町村は、来年度から国の補助金を活用し、負担額を抑える方針を決めた。10年間で67億円に上る費用を10億円程度圧縮し、鉄路の持続を図る。
昨年12月に開いた県地域公共交通活性化協議会で県が方針案を示し、17市町村などが了承した。
県生活交通課によると、只見線の同区間は今後10年間、橋梁(きょうりょう)やトンネルなど施設の維持管理費に年6億7千万円が見込まれる。22年の全線再開時は年3億円程度と見込んでいたが、施設の老朽化が予想以上に進んでおり、想定の2倍以上の費用がかかることがわかった。
県は、財政負担を軽減するため、国が補助金を交付する「鉄道事業再構築事業」に着目。継続が困難となるおそれがある地方鉄道の維持を目的としており、この事業の対象になると、維持管理費の負担が年1億円ほど圧縮できるという。
県は、国が採用条件として求める実施計画をまとめた。10年後の同区間の1日あたりの利用者数を現状と同じ100人とし、年間平均の赤字額を400万円改善した1億7千万円とした。
同課は「鉄道施設の長寿命化を図ったうえで観光列車などを走らせ、持続可能な只見線にしていきたい」としている。