バシー海峡を臨む砂浜で涙を流す戦没者遺族の吉岡初枝さん=2025年8月3日、屛東、高田正幸撮影

 太平洋戦争の際に台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡やその周辺海域で犠牲となった戦没者を追悼する慰霊祭が3日、海峡を臨む台湾南部、屛東県にある潮音寺で行われた。日本から訪れた遺族ら現地の関係者ら約150人が参加した。戦後80年の節目となった今年は、戦没者の慰霊を所管する厚生労働大臣から初めて弔辞が寄せられた。

 慰霊祭では、鹿児島県の徳之島から初めて訪れたという吉岡初枝さん(80)が遺族を代表して弔辞を述べた。父親が1944年8月、吉岡さんが誕生する前に海峡付近で亡くなったといい、「お父さんを近くに感じたくてここまで来た。やっと父への思いと向き合うことができた」と語った。

 また、駆逐艦の船長だった父…

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