台湾立法院の周辺で2024年5月28日、立法院の権限を強化する法案に反対して集まった人たち=台北、王思婷撮影
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 台湾の立法院(国会に相当、定数113)で28日、野党側が推進する立法院改革をめぐる法案が採決され、賛成多数で通過した。法案は野党側が優位に立つ立法院の権限強化を狙ったもので、頼清徳(ライチントー)総統の民進党政権にとって痛手となる。今後、民進党が憲法審査などに持ち込む可能性があり、与野党の対立がさらに激化することも予想される。

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 立法委員(国会議員)を選ぶ1月の立法院選で民進党は51議席しか獲得できず、少数与党となった。最大野党の国民党(52議席)と第3勢力の民衆党(8議席)の主導で法案審議が進み、民進党との対立が続いていた。17日には与野党の立法委員が乱闘になり、6人が病院に運ばれる事態になった。

 法案で焦点になっていたのは、総統による立法院での報告の定例化のほか、答弁者が反問したり資料の提出を拒んだりする行為を犯罪として罰する内容など。民進党は審議が尽くされていないと反発していた。

 市民からも「数に頼んで野党…

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