2025年4月2日、中国軍東部戦区の陸軍部隊が実弾演習をしたとして中国国営中央テレビが報じた映像

 中国軍東部戦区は2日、前日に続いて台湾周辺で軍事演習を実施した。中国が台湾の頼清徳(ライチントー)政権への軍事的圧力を続ける構えを見せる中、米側は「地域の安全と世界の繁栄を危険にさらす」と非難した。

 発表によると、演習初日となった前日は台湾本島の北、東、南側の海域などに展開したが、この日は主に台湾本島の西側になる台湾海峡の中南部の海域に展開。敵か味方かの識別や警告・排除、阻止といった内容に重点を置き、部隊の管制やエリア封鎖、精密打撃の能力を検証するとした。

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 陸軍の部隊が港湾やエネルギー関連施設の模擬目標への長距離火力の実弾演習を実施した他、台湾東側の海域では空母山東も参加し、統合作戦能力を検証したという。

 台湾国防部(国防省に相当)の発表によると、2日午前6時までの24時間に台湾周辺では中国軍機のべ76機、軍の艦船15隻の活動が確認された。

 この日の演習名は「海峡雷霆―2025A」。「雷霆(らいてい)」は激しい雷という意味に加え、「威力」や「怒り」も表す。中国の国営メディアは「『台湾独立』勢力が躍起になれば、懲罰の嵐はそれだけ猛烈になる」などとし、中国への警戒感を明確に打ち出す頼政権への批判を強め、台湾世論の切り崩しを図っている。

 一方、中国が演習当初から大々的に宣伝するのは1月のトランプ政権発足後初で、米側の出方を探る狙いも指摘される。

 米ホワイトハウスのレビット報道官は1日の会見で、「トランプ大統領は台湾海峡で平和を維持する重要性を強調するとともに、台湾問題の平和的解決を促し、力や威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも反対している」と述べた。

 国務省のブルース報道官も1日に声明を出し、「中国による攻撃的な軍事行動と台湾へのレトリックは緊張を高め、地域の安全と世界の繁栄を危険にさらすだけだ」と非難。中国による威圧的な戦術や不安定化させる行動に直面しているとし、台湾などの同盟や友好関係にある国・地域への「米国の永続的な関与を継続する」と述べた。

 ヘグセス米国防長官は3月30日の日米防衛相会談後の共同記者会見で「米国は台湾海峡を含めたインド太平洋において、強力な抑止力を維持する」と述べるなど、中国側を強く牽制(けんせい)する姿勢をみせていた。

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