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ベルギーのブリュッセルにある欧州連合(EU)本部を訪問した台湾の蔡英文前総統(右)=蔡氏のフェイスブックから

 台湾の蔡英文(ツァイインウェン)前総統は20日、5月の退任後初めてとなる外国訪問を終えて台湾に戻った。中台は一つだとする「一つの中国」原則を主張する中国の反発などから公的な対外活動に制約を強いられる台湾が、前総統の立場を活用して国際社会で「活動空間」を広げる可能性を示した。政権の「代弁者」としての蔡氏の活動が活発化しそうだ。

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 蔡氏のフェイスブックなどによると、蔡氏は17日、欧州連合(EU)本部のあるベルギーのブリュッセルで欧州議会を訪問し、計80人の議員らと会談。「台湾と欧州は民主や自由、人権といった価値観を共有するパートナーだ。権威主義の拡張への対抗においても常に立場を共にしている」と投稿した。

 蔡氏は訪欧中、欧州のなかでも近年特に台湾と良好な関係を築くチェコや、欧州の大国であるフランス、ベルギーの計3カ国を訪ねた。台湾とこれらの国々が価値観を共有していることを各地で強調。中国への名指しは避けつつ、権威主義が伸長することへの危機感や、民主勢力の結束を訴えた。

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