自衛隊制服組トップの統合幕僚長を務めた岩崎茂氏が台湾行政院(内閣に相当)の政務顧問に就任したことが、行政院への取材でわかった。自衛隊幹部経験者が台湾側の役職に就くのは異例だ。
行政院によると、岩崎氏は3月に政務顧問に就任し、任期は1年間。就任にあたり、卓栄泰(チュオロンタイ)行政院長(首相に相当)とも面会した。行政院の政務顧問は非常勤、無報酬で、日本人では飲食店経営者の野崎孝男氏が外国人として初めて政務顧問に就いている。
岩崎氏は航空幕僚長を経て、12年1月~14年10月、統合幕僚長。退任後は防衛大臣政策参与を務め、23年には瑞宝大綬章を受章した。
岩崎氏の起用には、安全保障分野で日本側との関係強化を目指す台湾の狙いが反映されているとみられる。一方、中国側が反発する可能性もある。