気象衛星ひまわりの赤外線画像で写された、大型で中心の目がはっきりしている台風=気象庁のウェブサイトから

 例年5月ごろまでにある「台風1号」の発生が、今年は6月に入っても確認されていない。6月にずれ込むのは、9年ぶり。「台風の卵」ができるはずの赤道付近の海域で、今年は下降気流が起きやすい状態になっており、渦を形づくる雲が発達できないことが一因とみられる。ただ、1号の発生が遅れても、年間を通した日本への接近数や勢力の強弱とは関係ないとされ、台風シーズンへの警戒は必要だ。

 台風は、低気圧の中心部で反時計回りに渦を巻いた雲が上昇しながら積乱雲に成長することで発生する。気象庁によると、5~6月ごろは本来、太平洋の赤道付近で台風の卵になる低気圧が発達しやすいという。

 ところが今年は、赤道付近で海面水温の寒暖差があり下降気流が生じやすい状態が続いている。雲が上昇して成長できないことで、1号の発生が遅れているとみられるという。

 1号の発生は例年、4~5月…

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