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突風で飛ばされたとみられる建物の屋根のようなものが電線に引っかかっていた=2024年8月29日午前11時16分、宮崎市東大淀1丁目、奥正光撮影

 台風10号は30日、ゆっくりとした速さで九州を東へ進んだ。同日未明にかけ風速25メートル以上の暴風域はなくなり、台風は勢力を徐々に落としているものの、全国各地でも湿った空気の影響を受け、記録的な大雨による冠水被害が相次いだ。

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 住宅1棟が土砂崩れに巻き込まれた愛知県蒲郡市では男女3人の死亡が確認されたほか、徳島県でも民家の屋根が落下して80代の男性が死亡した。鹿児島県では、係留中だった小型船の船長の男性(64)が行方不明となった。

 30日午前8時までの12時間で東京都八王子市245.5ミリ▽静岡県伊豆市224.0ミリ▽埼玉県所沢市221.5ミリなど、台風本体から離れた首都圏を中心に降水が強まった。

 総務省消防庁の30日午前8時現在のまとめによると、全国で78人の負傷者が確認され、突風による損壊や大雨による浸水の被害を受けた住宅は180棟にのぼった。埼玉、神奈川、大分の6市町では計約9万人を対象に警戒レベルの最も高い「緊急安全確保」が一時発令された。

 交通ダイヤも大幅に乱れており、東海道新幹線は東京―名古屋間で、山陽新幹線は広島―博多間で、九州新幹線は全線で、それぞれ30日は終日運休する。

 気象庁によると、台風10号は勢力を徐々に弱めており、2日未明までに近畿地方周辺で熱帯低気圧に変わる見込み。

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